雨が降っていると、保育園までの送りに自転車が使えなくなって、一緒に歩くことになります。
最近、イヤイヤ期が終わりかけで、ようやく娘もまともに “歩いて” くれるようになってきました。
ほんの半年くらい前まで、10m歩いては地面にしゃがみ込んで石や草をいじったり、また10m歩いては「もう、あるけない…、おんぶして」と言い出したり、それはそれはストレスフルな送り迎えでした。
そう考えると、成長しましたね。
そういえば、うんこしっこ言うのも、少し落ち着いてきたような?
とはいえ、その「ただ歩く十分間」というのが、どうしても退屈なのか、ぷらーんぷらーんと、あまりペースが上がりません。
お父さんは、ついつい焦れてきてしまいます。
なんとか子供の元気を上げたいぞ
こういう時に、私が最初に思いつくのは、「はいっ、シャキシャキ歩いてー。イッチニー、イッチニー」みたいな、直接テンションを上げるための言葉。
「遅くなったら、お父さん困っちゃうー」とか「前みたいに、抱っこして、って言わなくなったよねー。さすが年中さん!」みたいなことも、まあ言えていたかもしれない。
私は万事、機能主義的なので、こういうことを最初に思いつくし、無駄口だったら叩かないわけです。
だったんですが……。これが娘には全然ひびく様子がないし、ますますつまらなそうな目になっていく。
気が散っているわけではないけど、とにかくテンションが上がらない。
これは困った、どうするか。
雑談しよう、そうしよう。
私は雑談が苦手です。「無駄口は叩かない」という性格があると、そうならざるをえないのです。
しかし、すっかりつまらなくなった空気の中で、もう一度元気な気持ちを盛り上げようと思ったら、相手に何かしゃべってもらうのが1番確実だ、という気がしてきました。
沈黙を埋めるために、会話することにします。
で、
「きょう、娘ちゃん、朝ごはん何食べたんだっけー?」
みたいなことを話しかけた。
娘「え? パンとー、ヨーグルトとー」
私「あー、そうだそうだ。パンは茶色と黄色とあったよね。娘ちゃん、どっち食べたの?」
娘「きいろいほう! だってー、私きのう、ちゃいろいほうをたべたから!」
私「そうかそうか。これで、両方とも食べられたってことなのか」
娘「あっ、わんわん!」
私「本当だ! 犬いるね。かわいいね」
娘「わんわんだー」
私「……。そういえば、娘ちゃんは犬と猫だったら、どっちが好きなの?」
みたいな会話を、必死で繰り出しました。
さっきまでの目の色とは明らかに違う声の色。
うん、元気でてきたかな?
このあたり、反応が素直で、まだまだ「ひねくれがたまって、簡単にはほどけない」ような年代ではないようで、ありがたかったです。
確実に食いついてくれるような、便利で強いネタは、とっさには思いつかなかったので、気まずさを感じつつも、数を打った感じですが……。
それでもどうにか目的は達せた感じ。
うん、これは雑談回路の練習にちょうどいいかもしれん。
これからは自転車の後部座席に乗せている時にも、なるべく何かをしゃべっているようにしよう。
会話は、人に元気をあげられる力がある。
本当は、もっと大変だった時期に、この境地を垣間見ておけばよかったのかもしれないけど、そんな精神的な余地はなかった(笑)
「プリキュア、何色が好きなんだっけ?」とか聞いてみてもよかったかもしれない。
後記
保育園児をあいてに、雑談のトレーニングをする、三十代。
私は、子供たちの《公園担当》なので、「テンションの上がった状態のお兄ちゃん」に、 “号令” をかけるのに慣れすぎている、というのもあります。
こういう「かかわり合い」が主となる会話がすっかり苦手になっていましたね。
そういえば、この「無理矢理に話題をつないで、沈黙をうめる」感じは、女の子と付き合っていた頃を思い出します。
ただ、あの頃と違うのは、「頑張りすぎて、逆にイタい感じに見えてしまう」可能性が低いことと、「べつに自分を『格好いい』と思わせる必要がない」こと。
つまり、グッとプレッシャーが低くなっているということですね。
こういうのは、きっと脳内回路がキーなのだと思うので、気負わず練習できるというのは、いいことですね。
今日もありがとう。
ではまた、どこかで。
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