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iki0178|R-style『ヒーローの動機付け』についての少考

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ヒーローの動機付け | R-style』という記事があります。少し前の記事ですが、すごくおもしろい記事です。
真ん中の歩き方: R-style selection』にも収録されていました。

16種類(14+2)のヒーローの動機と、3つの評価軸、2問の問が出てきます。
それを、自分なりに順位付けしようとする中で、自分の価値観や考え方が見えてくる。

ここで重要なのは、どのヒーローだって地球を守ったことには違いがないということです。だから、「結果が同じなら、なんだっていいじゃん」といって課題自体を見なかったことにすることもできる。
でも、私にはうっすらとだけど「等価じゃないよね?」というザワザワみたいなものが胸に生じる。だから、書いてみたくなる。

今回のエントリでは、この問1についてだけ、書いてみたいと思っている。(網羅的に書いて冗長にしない自信がないので)
さて、問1だ。

《上のようなヒーローを<標準例>とし、以下のヒーローたちの「偉さ」「尊さ」「ランキング」について自由に検討しなさい。》


14種類の中には1度も言及しない動機例もあるだろうから、詳しくは元記事も合わせてお読みください。
さて、誰を格好よさの第1位に推すか、といったら文句なしに1番の人である。(『地球を守るのが好きで好きでしょうがなくて、怪獣を倒して地球を守った』)

一貫性、又の名を第四の石工


ヒーローというのは、大きな力を与えられている。他方で人類は彼に依存してしまっている。
そうすると、「今回はよくても、次の危機の時まで彼にその力を与えておいていいのか」という命題は常に発生する。

そのヒーローの力が突然変異で生まれたのではなく、「人類の叡智を結集して作り上げ、メンテナンスしている巨大ロボットの操縦」を通して振るわれている場合などには、この命題は顕著になる。
(おそらくは税金も結集している)
彼が、次の時「めんどくさい」といって戦ってくれない可能性はないのか。
いやいやもっと、彼がその力を自分だけの欲望のために使ってしまうことはないのか。

その観点からすると、「6.」の《自分で地球を支配するのに邪魔だったから』などは最悪である。
本命「1.」の対抗になりそうなのは「2.」《怪獣を倒すのが好きで》くらいか。
ちょっと『怪獣だけど実はいい奴』まで倒してしまいそうで恐いけど、こういうタイプの方が、怪獣を倒す技術を磨くのに余念がなくて頼りになるかもしれない。

意外と、「1.」は賞賛と脚光が欠かせなかったりしそうで、実はメンドクサイ奴かもしれないしね。

ヒーロー物語の美しさ


だけど、ここまでだけで治らない私の気持ちがある。「実務家の私」に対する「物語読みの私」という感じだ。
それは、「そのヒーローの心情にどれだけ感情移入できるか」という尺度だ。
私たち一般市民は、いつでもやりたいことだけをやって生きていられるわけではない。
「小さな違和感を捨て、大きな正義に就く」ような判断をしなければならない場面を繰り返し味わっている。

そうすると、やはり同型の葛藤を持つヒーローに強く心魅かれることになる。

この観点での第1位は「3.」《怪獣が好きで好きでしょうがなけど、》だ。
やっぱりこういうのに感動する。

ただ、「4.」《給料をもらうために》や、「9.」《モテると思って》も、私小説的な味わいがあって、なかなかのものだ。
だって、彼を応援する私自身がそれくらいの小人物なのだから。

そうそう、「気が弱くて、クラスでもいじめられっ子だけど、勇気を振り絞って怪獣を倒して地球を守った」みたいなのもいいですね。

もし私がヒーロー全員を管轄する部署の長官だったら、彼らをもブラックやイエロー(女性戦士ではなくカレーの方のイエロー)、さらには6人目の追加戦士あたりに配してユニットを作りたい。
その方が、幅広い共感を得られて税金が取りやすくなる、って何を言っているのだ私は。

あと、《お金が好きで好きで、特別ボーナス貰って怪獣を倒した》みたいな人を1人、予備役としてつないでおくと、他の気まぐれさん達が頼りにならなかった時の、最後のしのぎになるのにな、と思ったり。

後記:人間の魅力


……、というわけで、「偉さ」も「尊さ」も、脇に置いたまま、一気に書いてみました。
出題は『ヒーローの』とあります。また、私は物語が大好きですので、基本的には物語の主人公を選ぶような気持ちでこのエントリは書かれています。
でも、身の回りの友人や同僚を好きになるときにも、この2つの評価軸って、脳の奥底で動いているんじゃないですかね。
一方で『揺らがない・傷付かない高潔さや誠実さ(integrity)』を求め、他方で『自分達の悩みにリアルに共感してくれそうな身近さ』を求める。

私達がヒーローに求めるものって、私達が他人に求めることの「よりピュアな形」ということなのかもしれませんね。


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